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「ひと味違う!」原木栽培へのこだわり。かかる時間は、菌床栽培の数倍。
肉厚で風味も豊かと好評の、パルシステムの生しいたけ(原木栽培)。産地と30年以上産直取り引きを続ける、ロングセラー商品です。
産直開始当時には、木にしいたけの菌を植え付けて育てる原木栽培は一般でも多く見られましたが、年を追うごとに、人工の培地を使った「菌床栽培」が全国に普及。いまや原木栽培の出荷量は国内しいたけ栽培全体の2割程度にまで落ち込んでしまいました。「原木栽培だと、菌の植え付けからしいたけの発生まで1~2年かかるところ、菌床栽培ならば数ヶ月でできる。生産効率の良さなどから、菌床栽培が一気に全国に広がったんです」(パルシステムの産直青果担当)。
それでもパルシステムと産直産地では、昔ながらの原木栽培にこだわっています。「おいしさはもちろん、原木栽培には日本の里山を活性化するなどの大きな意味もあるのです」(パルシステムの産直青果担当)。
原木の使用で、日本の里山を活性化!このしいたけには、そんな意義もあります。
菌の植え付けから、収穫まで。原木栽培でのしいたけづくりは多くの手間と時間がかかります。「あまりに手間がかかるということもあり、じつは昔、菌床栽培への移行も考えたことがあったんです。でも原木しいたけのおいしさを知ってしまうと、ゆずれませんでした。うまみが濃厚で、何より香りが格別なんですよ」とは生産者のひとり、JAつくば市谷田部産直部会(茨城県)の飯泉孝司さんです。
しかし近年、JAつくば市谷田部産直部会のしいたけ生産者たちは、地方の里山の荒廃とともに原木となる木が手に入りにくくなったことに、頭を悩ませていました。全国の原木産地に呼びかけても、林業従事者の減少や高齢化により、人手が足りないため、少しの量しか原木を出荷できないとの回答が帰ってくる状況です。
そこで飯泉さんは、「気づいてみればしいたけ栽培は、林業の一角を担っていたんです。森を守りながら食を作るのが私たちの役目」として、国内の山林から原木を調達。原木しいたけの味を守りながら、森に人の手を入れることで、日本の森を元気にしているのです。
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